木部塗装をキレイに仕上げるポイントを解説!

て日本の住宅では、内装や構造体以外にもたくさんの木が使われてきました。最近新築された家だと、木に代わって高耐久なケイカル板や金属系などがよく使われるようになりましたが、数十年前に建てられた家だとまだまだ木材が使われています。
▼住宅外観で木材が使われている箇所の例
ウッドデッキ・軒天・破風板・鼻隠し・ドア・窓枠・格子・戸袋など
木部はもちろん「木」なので、塗膜が剥がれてしまうと耐久性ががくんと落ちます。紫外線があたって塗膜がバリバリに剥がれたり、雨や湿気でボロボロになってしまったり、かなり木部がもろくなっている住宅も少なくありません。
▼木部塗装の劣化サイン
・木の地肌が見えている
・塗膜がひび割れ、ボロボロになっている
・艶が落ちて色褪せている
・水が染み込んだり、腐食したりしている
家全体の耐久性を考えても、とくに傷みやすい木部の塗装はとても重要です。定期的な塗装で木の弱点をカバーして、美観や耐久性をキープしましょう。
木部塗装をキレイに仕上げるポイント
木部塗装も鉄部やサイディングの塗装と同様に「ただ塗ればいい」というものではありません。次のような処理をしっかりと行うか否かが、塗装後の仕上がりに大きく影響します。
ポイント1:下地処理(ケレン)
木部塗装で最も重要といってもいい作業が「ケレン」です。古い塗膜の浮き剥がれを、皮スキやサンドペーパーなどの道具を使って削りとる作業になります。
- 【皮スキで削る】古い塗膜は皮スキなどでガリガリと削り取ってしまいます。
- 【表面を研磨】サンドペーパーやマジックロンで表面を研磨します。
- 【破損の補修】木部が破損していたら、シーリングで補修します。
ケレンが不十分だと、塗料が木にしっかりと密着せずに、すぐに剥がれてきてしまいます。また部分的に旧塗膜の浮きや剥がれが残ったまま塗装すると、凸凹した仕上がりになることも。表面を滑らかに整えることで、美しい仕上がりになります。
ポイント2:下塗り
旧塗膜をケレンで取り除くと、木の地肌が見えてきます。仕上げの塗料を塗る前に、浸透止めや防腐効果のある下塗り材を塗装します。
- 【ハケで下塗り】他の部材との境目など細かい部分はハケで丁寧に。
- 【ローラーで下塗り】広い面はローラーで塗っていきます。
- 【ダレないよう注意】塗料がダレないよう、適量の下塗り塗料を塗ります。
傷んでいる木部にそのまま仕上げ塗装をすると、塗料がどんどん木に吸い込まれてしまって、ツヤがなく仕上がりがイマイチ。下塗り塗料を塗ることで塗料の吸い込みを防ぎ、滑らかで長持ちする仕上がりになります。
ポイント3:上塗り
下塗りのあと、仕上げの塗料で塗っていきます。基本は「下塗り→中塗り→上塗り」の3回ですが、状況によっては4回・5回と重ねて塗っていくことが大切です。
- 【中塗り】下塗りをしっかりしたので吸い込みを抑えられています。
- 【ハケで細かく】金具の境目などダレやすい部分は塗料を切るように塗ります。
- 【上塗り】最後はご指定の色で仕上げます。
とくに南面など紫外線の影響が大きい部分は、3回塗りでは足りないことが多いです。「3回塗りすればOK」ではなく、状態を見ながら4回、5回と手を抜かずに塗ってくれる業者を選びましょう。
まとめ
木材は塗料でコーティングしておかないと、雨水が染み込んで腐食してしまいます。そして、ただ塗料で色をつければ良いというものでもなく、下地処理(ケレン)や下塗りをおこたると、せっかく塗装してもまたすぐに塗装が剥がれてきてしまいます。長くキレイに保つためにも、余計なお金をかけないためにも、適切にメンテナンスしましょう。