なぜ重要?養生をていねいにする3つの理由

外壁塗装をするときに大切なことは?そう考えたとき「ていねいに塗ること」「良い塗料を選ぶこと」などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
もちろん適切な塗料をていねいに塗ることはとても大切です。しかしそれだけでは美しい仕上がりにはならず、養生などの下準備を手抜きせずていねいに行うことも欠かせません。
目次
養生をていねいにする理由1:建物をペンキから守る
養生の目的の一つが、建物を塗料の飛散から守ること。これはイメージしやすいですよね。
こちらはガスメーターが汚れてしまっていたお宅です。前回塗装をした業者がきちんと養生をしていなかったのでしょう。
大切な建物をこんなふうに汚してしまうことのないよう、あらかじめ床や窓をしっかりとビニールで覆っているのです。
「ていねいに作業をすれば汚さないから大丈夫です」という業者もいるかもしれません。しかしローラーや刷毛で塗っていると、細かい霧状のペンキが必ず落ちます。
また屋外での作業なので、風がふけば思ったよりペンキは飛散します。うっかり手を滑らせて、塗料をこぼしてしまうこともあるでしょう。
人間のやることですので、どれだけ気を付けていてもミスをゼロにはできません。起きるかもしれないリスクを想定して、できる限りの対策をして防ぐことが重要だと思っております。
養生をていねいにする理由2:仕上がりを美しく
そして養生の二つ目の目的は、仕上がりをキレイにすることです。
たとえば開口部と外壁の境目の養生テープがまっすぐに貼れていれば、上から塗装したときにキレイなラインがでます。
このテープがガタガタだったり斜めだったりすると、塗装のラインもガタガタに。テープがぴたっと貼れていなければ、隙間から塗料が入ってしまいます。いくら面がうまく塗れていたとしても、境界がガタガタだと美しく見えません。
養生をていねいにする理由3:お隣の家を汚さない
塗料の飛散でお隣の家を汚さないことも、養生の大切な目的です。お隣と隣接している面には、高圧洗浄の前からブルーシートを張って飛散を防止します。
横浜市でもエリアによっては住宅が非常に密集した状態になっています。お隣とのトラブルやクレームにつながることのないよう、念には念を入れて二重三重にカバーしていきます。
養生が必要なのはこんな場所!
養生にはこのような道具を使っています。塗装が終わったらすべて剥がす消耗品にはなりますが、ここをケチるといい仕事はできません。手間も道具も惜しまず作業をしていきます。
最近は雑貨としてもよく使われている「マスキングテープ」は、元々は養生に使われる道具です。粘着力が弱く、大切なマイホームを傷つけずにはがすことができます。
そして便利なのが「マスカー」とよばれるアイテム。養生シートとマスキングテープが一体化したもので、広範囲をスピーディーに保護できます。
では、実際にどのような場所を養生するのか見てみましょう。
窓まわり
塗料が窓ガラスやサッシについてしまわないよう、一つひとつの窓に養生を。ビニールにテープがついたマスカーをぐるりと一周貼って、ビニールを折りたたむようにしてマスキングテープでとめています。
玄関
玄関ドアは窓とちがって閉めっぱなしにするわけにはいかないので、開閉可能なかたちで養生します。なるべく日常生活を妨げないようにするのも、養生の大切なポイントです。
バルコニー・ベランダ
バルコニーの床や手すりも保護して汚さないように。人が通るところの床には、滑りにくい素材を敷いて安全を確保します。
室外機
エアコンの室外機は、専用のカバーを使って養生します。お客様に「塗装中はエアコンが使えないのですか?」と聞かれることがありますが、そのようなことはありません。通気できるメッシュ素材になっているので、いつも通りエアコンはお使いいただけますよ。
ガスメーター
屋外にあるガスメーターや給湯器などの機器類も漏れなく養生。ビニールでしっかりくるんで、マスキングテープでとめています。換気口や屋外照明、インターホンなども忘れずに。
付帯部
幕板(1階と2階の間にある細長い板)や雨樋などは、別の塗料を使うのが基本です。外壁用の塗料がついてしまわないよう、こちらも養生しておきます。
ていねいな養生で美しい仕上がりに
養生をていねいにすればするほど、手間も時間もかかります。そのためいい加減な養生しか行わない業者も多いのですが、「塗る作業さえ丁寧にすれば、キレイに仕上がるはず」というのは職人の怠慢です。
安心安全な作業を行うためには、ていねいな養生が必要不可欠です。「もしかしたら汚してしまうかも」という場所は見逃さず、細かい場所までしっかり保護します。二重三重に安全をとることで、職人は塗装作業に集中でき、より満足度の高い仕上がりになるのです。